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【フカボリ】訪れる観光客「半数以上が…」”岩手×台湾” 災害支援・歴史・観光・教育…いま「できること」は

 きょうの「フカボリ」担当は原記者です。  海外と岩手の関わりについてまずこちらをご覧ください。  去年、岩手の宿泊施設にはおよそ25万人の外国人が泊まりましたが、半数以上があるところから来ています。  それが、こちら台湾です。花巻空港を発着する国際便で唯一定期便が運航しているのが台湾ということもあり、ダントツで台湾からの観光客が多くなっています。    たしかに、観光地に行っても台湾の人を多く見かけます。  観光面でも岩手と関りが強い台湾ですが、今月3日、大地震が発生し大きな被害がでました。  4月3日、台湾東部沖を震源とする震度6強の地震が発生し、これまでに17人が亡くなったほか、建物が倒壊するなど大きな被害が出ています。  地震発生当日、岩手と台湾をつなぐ定期便も遅れが出ました。  (台湾から)「上、下、上、下と最初の10秒くらいそんな感じ(台湾でも地震はよくあるけれど)いつもより大きかった」  県内でも支援の動きが広がっていて、地震の被害が大きかった台湾の花蓮市と友好都市を結ぶ盛岡市も災害見舞金をいち早く送ることを決ました。  また、19日達増知事は…  (達増知事)「お見舞金の寄贈を台北駐日経済文化代表所に100万円寄贈(する予定)」  地震被害とても心配でした。岩手と台湾は歴史的にも深い関わりがあるんですよね。    こちら、奥州市出身で大正時代に東京市長も務めた後藤新平ですが、台湾では「近代化の父」と呼ばれています。  後藤新平は日本の植民地時代の台湾で民政長官を8年半務め、その間、水道や道路、橋などのインフラを整備しました。そのため、台湾では今でもとても尊敬されているんです。  後藤新平から岩手を知った人も多いのかもしれませんね。  東日本大震災の時にも台湾は義援金を送ってくれるなど岩手を支援してくれました。  こちらは、震災の2年後に山田町に建てられた保育園の園舎です。この園舎は、台湾赤十字組織からの寄付で建てられました。  (柏谷千代子園長)「ただ感動している。広くて、園庭も遊具も大きくて子どもたちとっても満足する」  子どもたちも笑顔になっていましたね。  今も、岩手と台湾は仲の良い関係が続いています。観光はもちろん、教育の面でも強いつながりを持っています。  1週間に2往復している花巻と台湾を結ぶ路線。2018年に定期便が運航開始され、昨年度は、利用率が9割を超えるほど好調です。  今週も…台湾からツアー客がやってきました。  台湾語でツアー客を案内するのは、花巻温泉の従業員です。  (花巻温泉・及川悟支配人)「台湾の国籍の正社員が今3人いて、非常に言葉の壁の部分で大変貢献してもらっている」  花巻温泉には、昨年度は6万1000人の外国人観光客が訪れましたが、そのほとんどが台湾からやってきた人でした。  (及川支配人 )「(花巻温泉は)2000年から積極的にインバウンドの取り組みを進めている。その当初の時期から最も多いのが台湾からのお客様」  ツアー客は見ごろを迎えた桜の前で浴衣を着て写真を撮っていました。  (ツアー客)「桜すごくいい。満開の桜を見ることができてラッキー」  花巻温泉では、地震が発した日から募金箱を設置しています。  (及川悟支配人)「一緒にそこの大変なところを乗り越えていければいいかなととらえている」  岩手大学で日本語の勉強をしている留学生の中に台湾から来た人もいました。  王貝伝さんと翁資航さんです。この日は、ひらがらなを習っていました。どちらも台湾出身です。  2人が在籍している台湾の大学と岩手大学が交流があり、この春から留学しています。  (王貝伝さん)「勉強をまだ始めたばかりで何もわからないので毎日大変です」  (翁資航さん)「授業時間が1講義100分ですごく長いと思う」  2人とも家族や自宅が地震の被害にはあいませんでしたが、今回の地震被害に心を痛めています。  (翁資航さん)「今回の地震は25年ぶりの大きな地震で死者もいるので台湾には大きな被害をもたらした」  県内で最も多くの留学生が訪れている岩手大学には過去10年で多い年には5人の台湾の留学生が訪れています。  多くの台湾留学生の指導を務めた大学の教授は留学生は1年から2年ほどしか岩手にはいませんが、それでも強い絆が生まれていると話します。  (岩手大学・田中隆充教授)「深く付き合いのある日本人の学生は卒業してからも台湾に行ったりしている。先日(の地震の時)も電話してちょっと心配だから台湾に行ってきますという卒業生もいた。それぐらいの絆(が生まれている)。4年間の内の1年しかその学生とはお付き合いしていなくても実は卒業してからも10年20年お付き合いしている」  これからも岩手と台湾のつながりはより強くなっていけばうれしいですよね。  地震があった台湾の被災地は復興に向けて歩みを進めています。私たちにできることはわずかなことかもしれませんが、台湾へ思いを寄せ、何かできることを探し今、行動に移すことが大事だと感じました。  以上、今週のフカボリ、原記者とお伝えしました。

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